セクシャリティ迷子のメモ帳

32歳、バツイチ独女、バイセクシャル。思ったこと・感じたことの備忘録。

あなたの悩みはセックスで解決できますか?

タイトルにある「裏垢」というのは、文字どおり、裏のアカウントという意味。

主に、家族・同僚・友人など、リアルなつながりの人たちには言えない秘密を話すために作られることが多い。

つい最近消したけど、私も作ってやってた。

裏垢にも細かい分類がいくつかあるらしいが、ここでは

「セックス相手を探すために作ったTwitterアカウント」

と定義する。

 

 

裏垢はこんな世界

 

私のいた裏垢は、ざっくり言うと

「アダルト出会い系サイトのTwitter版」

といったところだった。

「どうしたらセックスパートナーを見つけられるか」をツイートしてる人がたくさんいて、そういう記事もたくさんシェアされていた。

「セックス=コミュニケーション」と考える人が多かったので、挨拶もなしに「セックスしませんか?」と話しかける輩は、かなり軽蔑されていた。

具体的に言うと、アカウントを晒されたり、DMの文面を画像付きで晒されたり。

私は相手にするのが面倒なので、オール無視していたが。

 

 

とある女の子の話

 

そこで知り合った女の子で、印象に残っている子がいるので、その子の話をしたいと思う。

便宜上「Tちゃん」と呼ぶことにする。

Tちゃんは遠距離恋愛の彼氏がいるが、なかなか会えない上に、性欲もかなり強いので、セフレが10人前後いた。

セックスを性欲解消だけでなく、ストレス解消も目的としていて、本人は「セックスデトックス」と呼んでいた。

デトックス」の度に、ホテルの部屋の写真とともに報告ツイートしていて、フォロワーたちが(男女ともに)「デトックスできて良かったね」とはやし立てていて、当時の私も同じような反応をしていたのだが…

同じことをやりつつも、私は違和感があった。

デトックス」という言葉とは裏腹に、Tちゃんのストレスは解消されているように思えなかった。

それどころか、どんどん病んでいっているように感じたのだ。

 

Tちゃんのリアルな環境はかなり厳しかった。

母親が自分の気分次第で半狂乱のように怒り狂う、いわゆる毒親だった。

その母親と同居していて、愚痴や「家に帰りたくない」といったツイートもしょっちゅうしていた。

また、20代半ばで大学に入学したが、周りの同級生が自分より幼いと感じていて、彼らとのコミュニケーションをストレスに感じていることも、しょっちゅうツイートしていた。

あとは、セフレの一人(既婚男性)と共依存状態になっていて、別れる・別れないというやり取りを何度も繰り返していた。

 

一度だけ、Tちゃんと二人で食事をしたことがある。

ゆるふわな見た目と違い、貪欲な子だなと思った。

たくさんいるセフレや愛人の中で一番になりたいし、相手の興味があることは徹底的に勉強すると言っていた。

ただ、これは今になって思うことなんだけど、Tちゃん自身が好きなものは、会った時もTwitterを見ても分からなかった。

それがセックス、だとは思えない。

 

Tちゃんにとってのセックスは避難所のようなものだったんだと思う。

でも、抱えている闇が多すぎて、セックスだけでは対処しきれなくなっているように思えた。

そういえば、精神疾患系の薬も飲んでいるようだったな、Tちゃん。

セックスと薬以外の逃げ道は持ってなかったんだと思う。

 

 

本当の裏垢は…

 

Tちゃんのような人は、裏垢にはけっこういた。

というか、私の実感では9割はそういう人たちだった。

私もその9割の一人だった。

「毎日セックスできてハッピー!!」みたいな人は数える程度で、ほとんどは悩みを相談できる人が家族や友人の中にいない人とか、セックスしか逃げ道のない人が多かったように思う。

 

裏垢を消してしまったので、Tちゃんの現在は分からない。

状況は変わっていないかもしれないが、セックス以外の逃げ道を見つけてくれているといいのだが…